昨日の朝、ハーバード大学は1年間の授業は全てオンラインで行うと発表。
その数時間後、トランプ氏はTwitterで "SCHOOLS MUST OPEN IN THE FALL!!!って秋に学校を開けることを主張。
そして数時間後、アメリカの移民・関税執行局の通称ICEは、留学生でオンラインのみの授業のみの場合、帰国しなければならないと新たなガイドラインを発表。
留学生、パニック。
この24時間、不安で押しつぶされそうな時間を過ごしてます。
私たち、留学生は大学の授業方針を選ぶことはできないし、秋の新学期までは2ヶ月を切っている。
ICEが提示するチョイスは、
- In-person(大学で行われる授業)がある大学に転校。
- 本国に帰る。
問題は。。。
1→大学に行って無理やりにも授業をやるのは、留学生が第一にコロナにさらされる。
大学を転向するにはもう時期的に難しいし、博士課程の人は簡単に転校できない。
2→時差がある。深夜3時に始まる授業。。。
国によっては、規制があってネットでアクセスできない資料がある.
大学院生は、教授のアシスタントや講師をやっているから、クラスも研究にも打撃が出てくる。
博士課程の人は、収入を得ている人や家族で全員で来ている人もいるから、本国に帰ると言っても生活基盤が全くない人、家がない人もいる。
帰国のため、家のリースの年間契約、車の保険契約を中断、飛行機代など多大な出費が出るが、保証は一切ない。
アメリカの大学で大きな懸念なのが、留学生が激減すること。
実は、アメリカにくる留学生は大きなビジネスになっていて、大学には欠かせない存在なのです。
留学生の財源で、アメリカ人の生徒に賄えてる部分があると言っていい。
Financial Aidsという奨学金(返済が必要) は留学生には適用されず、州立大学だと留学生はアメリカ人より高いお金を払います。
UCLAを例に出すと、
カリフォルニア州の住民は年間、$13,226 (約140万)
州外/外国人は年間 $42,218 (約430万)。
ちなみに、12%の大学生、20%の大学院生は留学生。
留学生がいなくなったら、今でもすでに高い学費はもっと上がるし、研究は今までみたいに成功してかないであろう。
2018年は、$41 billion, おおよそ410億円の経済効果がアメリカにあったと報告されてる。
(ビジュアルチャート見たい方はこちら)
大学生(higher education)の5%は留学生が占め、1000万人ほどの留学生がいる。
留学生の総合人口は増えているえけれど、ここ数年は新たに来る留学生は減っているし、この決定はアメリカの信頼を失うことにもなり減少に拍車をかける。
長期的目線で見たら、経済やアカデミアに対して打撃は大きく、アメリカは競争に負け、人材を失うこととなる。
じゃあ、なぜICEは昨日、新たなガイドラインを発表したかというと。。。
トランプ大統領は、学校を再開させて経済を回し、再選に向けていい動きを見せたいから。
例えば、家で子供の面倒見ている親が仕事に行けたり、大学構内の仕事が増えるなどなど。
トランプ氏は、この方法で、ある意味強行的に大学側が開けざる追えない状況を作り出した。
(ちなみに、LAだけでも毎日、1500-3000人ほどのコロナ新規感染者が報告され、死者は3500人以上の死者が出ています。)
これから先、アメリカに留学生や優秀な人材が来ることは減るのは明らか。
将来性や安定のあるところ、例えばカナダやオーストラリアを目指すだろう。
すでに、カナダに移動をし始めてる人もいるとニュースで見たし。
誰もが将来がわからない中を生きているのに、違法で滞在してもいないし、景気にも貢献しているのに、理不尽な条件を叩きつけられるのはどうかと思う。
ヨーロッパから来た白人が、ネイティブアメリカンから土地を奪い、メキシコ系の人を追い出したり集めたり、そして都合が悪くなると”不法移民”としてラベルを貼ってきた歴史を持つアメリカ。(歴史も本によって様々に動きを書いてるので、アメリカにとって不便なことはよく曲げて書かれてます)。
合法滞在して、アメリカにも貢献している私の存在ですら危うくなる、今でも似たような歴史を繰り返すのかと、とても悲しい。
私も、大学側からちょっと待ってね、ってコメントが昨日来て、もしかしたら帰国になるかもしれない。
大学院、安全になったら戻ってきたらと、アメリカ人の友達に言われたけれど、ビザ取得はお金も時間もかかる。
いつ帰ってこれるかわからないから、帰国となったら全ての契約を解除しなきゃいけず、もしいつか戻ってきたら一から生活を立て直すこととなるから、さらにお金もかかり面倒。
オンライン授業に高額を払おうとは思わないし、将来性の高い他国の大学院入学に再トライするつもり。
Twitterでは、それは予期できたことではないかと言っている人がいたし、私も2ヶ月前に疑問にも実際に思った。
コロナウィルスの政策が始まってから、移民に対する新たな決まりは出ているし。
数週間前、就労ビザの一部を規制し、数ヶ月前にはグリーンカード申請を停止し、50万人の雇用が確保できると指摘。
対象のH-1ビザは、大学卒業以上で、アメリカの会社から高額の給料をもらえるくらいのステータスで仕事を獲得している秀才なので、ただのレストランで働くようなウィターではないし、このビザを取ること自体、年々困難となっていっている。
大企業のアマゾンやGoogleなどは、こう言った有望な人が景気回復に今、必要だとして批判していた。
ただ、7月に入り、オリエンテーションはすでに行われ始め、クラス登録、学費も多くの人が払っているこの時期に、このような決定が噂もなく来るとは思っていなかった。
ICE自体は、移民の法律を実際に決める市民権・移民局, 通称USCISでなく、犯罪者を見つけ国外に動かす部門(国土安全保障)。参照
だから、合法で滞在している留学生になぜ、ICEがこの決まりを提示しているのもおかしいと指摘する人もいる。
ICEは、9.11後にできた部門。トランプ政権になり一気に力を増し、犯罪者でなくてもお構いなしに不法滞在者を国外追放している。
そのやり方も残虐で、家や教会で待ち伏せして突撃し逮捕したり、子供を親と引き離したり。
これはまた長い話になるので今日はしないでおくけれど、とにかく”Abolish ICE(ICEをなくそう)”といった公約を掲げる公民党の政治家も多い。
ハーバード大学が公言しているように、各大学は今パニック状態で状況を探っている状態。
大学関係者は、政治家に電話やメールを送り始めたし、きっと大学側もCongressに問いかけると思う。
政治家もどんどん気づいて、声を上げている。元大統領候補のHarris氏や
This despicable and needlessly cruel decision upends the lives of our international students and further tarnishes America’s reputation and competitiveness. It's shameful how low this administration will go to distract from Trump’s failed pandemic response. https://t.co/b9GHRwPzEk
— Kamala Harris (@KamalaHarris) 2020年7月7日
Julian Castro 氏もTwitterで指摘。
声を上げて、行動をすぐ取るアメリカだから、これが撤回されるかもしれない。
大学側、優しいアメリカ人を信じて、今は不安でいっぱいだけれど待とうと思う。
私にできることは、Petitionにサインすること、大学に対して声をあげること。
夢に向かってアメリカで頑張っている日本人の留学生もたくさんいます。
もしよろしかったら、ホワイトハウスに対する嘆願(リンク)に署名してもらえると幸いです。